【日本版インダストリー4.0の教科書 IoT時代のモノづくり戦略/山田太郎】を読んでみた
外せないキーワードなので、読んでみました。
ひとこと要約
日本版インダストリー4.0をどう推し進めるか、という教科書です。
要点整理
■産業革命の歴史
1.蒸気(18~19C)
2.電気、石油(20C)T型フォード
3.電気、IT(20C後半)PLC
4.インターネット、IoT
■インダストリー4.0の本質
×生産性の向上がゴール
○共通インフラとしてのクラウドの活用
■時代背景
・ローカライズ、少量多品種(マス・カスタマイゼーション)
・消費者が選ぶ時代
・利益=回収-投資
■政府の役割
・法整備
・先導してプロトコルを取りまとめる
・インフラ整備(製造、物流、情報通信を分けない)
■ドイツの製造業文化
・プロダクト・アウト
・バリエーションが少ない
・高級品、高付加価値指向
■IoTレイヤー
1.社会インフラ・産業(スマート)
2.アプリケーション層 SaaS(Software as a Service)
3.プラットフォーム層 PaaS(Platform as a Service)
4.システムインフラ層 IaaS(Infrastructure as a Service)
5.通信機器
6.エッジデバイス
7.センサー&カメラ
8.モノ
■IoT標準化
・国際標準化
・デファクトスタンダート(業界標準)化
・エコシステム化
通信インフラ+データの統一が必要
■クラウド基盤
・OSI、TCP/IP
・oneM2M
・スマートホーム(GoogleのThread、アップルのHomekit、クアルコムのAllseen)
■3つの経営戦略
1.スペック(機能・仕様)マネジメント
・×オーバースペック ○マッチスペック
・SCM<ECM
・ベース、オプション、カスタマイズを切り分ける→QCDをコントロール
2.スループット(全体の総能力)マネジメント
・工程能力の差=ボトルネックをなくす、ドラム・バッファ・ロープ(制約条件)理論
・資材制約、資源制約、オプション(仕様)制約を解く→生産管理
・ロジスティクス
3.アセット・マネジメント
・土地や設備などの資産を需要と供給とのバランスを取って最適化 ×最大化
・個々の製品ごとに損益分岐点を意識
・固定費を小さく、投資を早めに回収できる仕組みづくり
感想
インダストリー4.0について誤解していたことが分かりました。
単に生産管理の効率化をIoTによって推し進めようというものだと思っていましたが、そうではないことが分かりました。
これからの各国の国際競争力をひっくり返してしまうような概念であり、日本も決して無視できないことだと理解できました。ものづくりだけではなく、他の産業もピンチです。
ただ、現状は通信インフラやデータの標準化を推し進めるにあたって、
国家が主導するのか、強い企業が主導するのか、それとも企業が連結していくのかハッキリとした動きが見えないのが現状だと思います。
私は、力を持った企業が先導を切るべきだと思っています。国よりも企業の方がスピードに優れているからです。
もちろん、複雑な要素が絡まりあう通信サービスやデータを全て一気に標準化するのは簡単ではありません。
しかしシンプルに並べてみると、
1.力を持った企業が標準化を先導し、
2.国家に働きかけて徐々に法整備を整え、
3.追従する形で産業全体が統一
の流れが理想だと思います。
ここから掘り下げて考えたときに、まだ知らないことが多すぎるので学んでいこうと思います。
何かの専門になりたければ、その何かに関する本を60冊読めばいいと聞いたことがあります。
本自体は目安として年間400冊読もうとしていますが、その内100冊はIT・通信関連の本になると思います。
それぐらい読めば、少しは専門的な考え方もできると思うので読んでいこうと思います。
まとめ
商学部出身ですが、こんな本が大学の講義で使われていたらおもしろいのになあと思った本でした!