【HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか/ベンホロウィッツ】を読んでみた
尊敬する先輩に「これは読むべき」と言われたので、その日のうちに読んでみました。
ひとこと要約
アンドリーセン・ホロウィッツのホロウィッツ氏の苦闘・教訓について書かれた本です。
要点整理
■優先順位
・人、製品、利益の順
■良い製品マネージャー
What「何をすべきか」を明確に定義し、そのWhatができるまでを管理
チームを売り上げと顧客に集中させる
■悪い製品マネージャー
How「どうやったらできるか」を見つけたとき最高の気分に
チームをライバルが開発している機能の数に集中させる
■2つの野心
正しい野心(会社のための野心)
間違った野心(自分のための野心)
■心を静める
・友達をつくる
・問題点を書き出す
・側壁ではなくコースに意識を集中する(何を避けるべきかではなく、これから何をなすかに意識を集中する)
■ リーダーに従いたくなる要因
・ビジョンをいきいきと描写できる能力
・正しい野心
・ビジョンを実現化する能力→学んで得られる
■経営者は不自然
・ボクシング…後ろに下がるときは後ろ足から=不自然
→自然にできるように練習、できないとノックアウト(CEOも同じ)
感想
前半は経営者としての生々しい苦悩、後半はその経験から得た具体的な教訓が体系的に記されています。
成功談ではなく、失敗談を中心にしているところは南場さんの「不格好経営」と共通しているなあと思いました。
やっぱり失敗から学ぶことは大事、ということですね。
上の要点整理では気になったところをメモしておきました。
WhatとHowの例がありましたが、製品マネージャーに関わらず、常にWhat「何をすべきか」という定義を重要視することは大事だなあと思いました。
How「どうやるか」を凝りまくっても、Whatがブレていると「報われない努力」になってしまいます。
無駄な努力ではないかもしれませんが、近道ではありません。
原点=物事の本質に立ち戻りつつ、進んでいくことは重要だということですね。
そして、どう進んでいくかという点では、
「側壁ではなくコースに意識を集中する」という例えにピン!ときました。
側壁を気にしながら走っていると、自然と吸い寄せられてぶつかってしまう。
側壁(=身の回りを取り巻く様々な問題)ではなく、コース(=これから何をなすべきか)に集中するべきという例です。
高校生の頃にロードレースをしていましたが、まさにその通りでした。
時速70キロを超えるスピードで公道の急カーブを曲がり続けるという狂った練習をしていたのですが(笑)、「コース、特にコーナーの出口だけに意識を集中しろ」と何度も監督に言われました。
別の本にも、「人間は意識した方向に進んでしまう」と書かれていた記憶があります。
人混みの交差点で、前から来る人を避けようと意識すると逆にぶつかりそうになる現象(避けようとしているのになぜか相手もついてくるアレ)についても書かれていました。
当たり前のことだと思いますが、
著者の教訓から、複雑な社会ではコースを見失うこともよくあることなんだなあと分かりました。
常にコースに意識を集中しながらゴールを目指したいと思います。
この本は社会人が組織の中で立場が上がれば上がるほど、学ぶことが増えていくような本だと思います。
現時点では実体験と直接線で結びつくような内容が多く書かれた本ではありませんでしたが、脳内にたくさんの点を作ることはできました。
いつか他の知識や実体験と結びつき、線となってくれると思います。
社会人になってから何度か読み返す本になりそうです。
まとめ
良書です。全てのビジネスマンにおすすめの本です!
HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか
- 作者: ベンホロウィッツ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2015/04/17
- メディア: Kindle版
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